日本人にとって、山とはなにか

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昔の人たちはシンプルに、山の領域を、日常生活を送っている里の世界とは別の、「死の世界」「異界」だと考えていました。日本列島で広く行なわれてきた夏の盆踊りのもともとのかたちは、祖先の霊を山から迎え、村をぐるぐるまわって歓待し、そしてまた山に送り返す、というものでしたし、狩猟民であるマタギの文化には、山に入るときは、里とは別の名前や言葉を使って行動する、などのルールが残っています。
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一方で、山は多くの恵みを与えてくれる場所でもありました。狩猟社会にとっての山は、自分たちの食料となる動植物を与えてくれる場所でしたし、農耕社会にとっては、山は水の源として重大な意味を持っていました。水を涵養する場所としての山、森林は、現代の生態学や森林学でもその意義が認識されていますが、水の神様として信仰の対象になっていたのです。恐ろしくも有難い存在として山。そんな山に深く分け入って、自然と人間の関係を深く考え、人間の意識の可能性をさらに深く拓いて行こうとしてきた人たちが、日本にはいました。山伏と呼ばれる人たちです。
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池田さんの(eco-plazaの)MLから、、、ぼくも今興味がある論点です。日本人は農耕をするようになってから、山=森を破壊するようになったとも、言われていますよね。

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