[ap-all:06454]から、点と線と面

自然災害は大きくは、点と線と面にわけることが出来る。たとえば地震は、大きなものであってもその被害は点として現れる。…
一方、津波などは線的被害をもたらす。一定の高さの津波が一様に海岸線を襲うとき、標高との兼ね合いで海岸線に平行に被害地域が伸びる。川があればそれをさかのぼってやはり線的に被害地帯が伸びる。…これが線的被害の特徴だ。
面的被害とは、火山の噴火災害に伴う火砕流が典型的である。…発生したら一地方を全滅させるほどの災害を招く。面的被害のもう一つの特徴は影響が長期間続き、居住不能になることさえあることだ。
原発や再処理工場の災害は、小規模ならば点の災害にとどまるが、最悪の場合は面の災害となる。チェルノブイリ原発事故を見ても分かるとおり、広大な面積が居住も生産活動も不能となるような災害は、日本のような狭い国にとっては特に致命的だ。原発の破局事故は滅多に起こらないとしても、一度起きてしまえば何世代にもわたり影響を受ける。その様は破局噴火と同様だが、破局噴火を阻止することは人間には出来ない。しかし、原子力破局事故はいくらでも避けることが出来るのである。人間が作り出したもので面的被害を引き起こすものは核兵器と原子力施設しかない。そのような破局災害を引き起こすものを使い続けなければならない理由はない。リスクを冒して原子力施設を動かして作れるのはたかだか電気だけなのだ。そして電気を作る方法は他にいくらでもあるのだ。
©たんぽぽ舎
http://www.tanpoposya.net/
===
「点線面」はカンディンスキーだとばかり思っていましたが、ずいぶん昔に「点線面」と書き初めで書いた記憶があります。

[ap-all:06454]から、点と線と面」への2件のフィードバック

  1. 災害の種類によって点と線と面にわけることは出来ないですよ。
    インフォメーションデザインとして「点と線と面」で表すことができますが、津波の種類や被害状況によって「点と線と面」を使い分けることが必要だと思いますよ。
    カンディンスキーの「点線面」は人が感じる感覚のつながりを説明したものではなかったでしたっけ? 面の形や線の形などその造型からなにが人の感覚へ影響するのかみたいな。

  2. こちらにもありがとうございます。そうでしょうね。災害の種類によって、きっぱりと点と線と面にわけることは出来ないかもしれませんね。災害はデザイン論ではありませんからね。でも、このたんぽぽ舎の記事がapに載ったとき、ちょっと興味深い視点だなっと、思ったものですから、ぼくのブログに転載しました。このような柔らかい切り方は、ひょっとすると重要な解決に繋がるかもしれないと思ったまでです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です