初レビュー

志村真幸さま、どうもありがとうございました。とてもうれしいです。

★★★☆☆  ふわっとした文章 2021年6月6日

Marc Jeansonの『Botaniste』(2019年)の翻訳。
 著者のマルク・ジャンソンはヤシの研究者で、パリ国立自然史博物館の植物標本館の館長。もうひとり名前の挙がっているシャルロット・フォーヴは本書の編集者。
 植物/植物学/植物学者にまつわるエッセイである。どちらかというと文学好きのひとにアピールするタイプの文章だろう。植物にまつわるさまざまなものごとを、ふわっとしたイメージで並べていく感じの本だ。
 近代のフランス人植物学者たちの熱帯地域での採集と、しばしば悲劇的な最期を迎えたこと。自身のヤシ研究と中国への採集旅行のこと。植物標本館の歴史や建物と、個性的な研究者についてなどなど。
 中原毅志が監訳,菅原敬が植物監修ということで、訳はしっかりしており、植物関連の用語も厳密すぎるくらい正確になっている。
 横組み。(が残念だってことでしょうか? 笑)

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