左右逢源

辛巳(1821年)、了々斎筆、百五十遠諱追薦と記してある。江岑好木地丸香合の写しを配りものにした際の色紙。逢源斎の語源だが、道を体得した者があらゆる事物の本質を見取り、自在に対処すること。左右〔そ‐う(もと‐こ?)〕というのは、この場合「かたわらにあること」という意味にも取れるのではないだろうか。稲垣休叟(いながき きゅうそう)書付、江戸後期の茶人。号は竹浪庵・黙々斎。啐啄斎に師事。「茶道の世界では従前より(生誕何年祝より)没後の年忌を大切にし、歴代家元の年忌にあたってはその遺徳を偲んで追善の法要や茶会を行ってまいりました。」(同門2022年1月606号より、元伯が花から鶯へ替えた記事も載っていたけれどw)の規範のもととなるお軸と思う。了々斎の江岑への思いが紙面にとても現れている。今年10月27日はちょうど江岑三百五十年忌。

《离娄章句下》章句八编辑 孟子曰:“君子深造之以道,欲其自得之也。自得之,则居之安;居之安,则资之深;资之深,则取之左右逢其原。

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