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文字展@smt.web 15. うごく文字
山辺真幸「新しいひらがなのための装置」

2001 (平成13) 年 ソフトウェア

山辺真幸 ステートメント

話す言葉を文字に置き換える文化がなかった日本では,
他国の文字である漢字を一字一音式に対応させて表記することが試みられた。

1200年以上昔のことである。
「仮名 (かりな)」という, 漢字を借用するシステムの中で,
元の漢字を意図的に崩す書き方がひらがなの元になった。
漢字を大胆に「崩す」ことは単に省略することではなく,
借用した漢字から, 日本独自の文字を生み出す大きな流れであり,
多くの漢字が「崩し」によって新たな形を獲得していった。

「新しいひらがなのための装置」
は,「崩し」のアルゴリズム化を試みた作品で,
画面上に書かれた文字を「崩す」ことによって,
擬似的にひらがな化させるソフトウェアである。

近代以前には, 現在一般的に使われている
46字のひらがな以外にも, 多くのひらがながあったと言われ,
この作品上でシミュレートすることができる。
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