春色無高下

『圜悟語録』掲載 しゅんしょく こうげ なし (花枝自短長 かし おのず から たんちょう あり)と対句が続く、直訳は「春の景色、風光に上下の差等はない (花の咲く枝はそれぞれに長いのもあり短いのもある)」
『禅林句集』には、「平等中の差別。長者は長法身、短者は短法身」とある。『禅語字彙』には、「前句=同じやうに育てゝも、後句=物に出來不出來あるをいふ」とある。【前句=真理はひとつであるが、後句=そのあらわれ方はそれぞれ異なることのたとえ】季節の春に限った掛物ではないことがわかる。大徳寺376世/非心義覺はあまり見かけない墨蹟だが、よく画賛で登場する。『大徳寺歴代墨蹟精粋』には載っているので、やっぱり書き手なのだと思う。とてもいい景色。

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