且坐(さざ)

江戸時代中期、町民の茶道人口が増加、現在のように茶道の厳しさが失せ、華美な茶道を求める者が増え、遊芸とする風潮が起こる。茶道における精神・技術を7つの稽古法でみがき、禅における「七事隋身(しちじみにしたがう)」の精神を基に当時の大徳寺の大龍宗丈、天然宗左(如心斎)の参禅の師である無学宗衍の助力があり、また実弟の竺叟宗室と一燈宗室や川上不白ら高弟と相談して禅の精神に基づく厳しい修練を目的とした「七事式」を如心斎の没年までに完成されたとされている。

無学宗衍の七事式の偈頌:
花月は「互換機鋒看子細」
且座は「是法住法位」*
廻り炭は「端的底看」
廻り花は「色即是空 凝思量即背」
茶カブキは「千古千今截断舌頭始可知真味」
一二三は「修証即不無染汚不得」
員茶は「老倒疎傭無事日 閑眠高臥對青山」

昨日の「このほうは ほういにじゅうす」*の稽古、「且座之式」を一回行うことを「一座(いちざ)」といい、茶事の内容を集約したもので、客3人と亭主(東)、半東の5人で行う。臨済宗の宗祖臨済義玄の語録を集録した臨済禄の「且座喫茶」、趙州の従諗(じゅうしん)の且座喫茶法からとも言われ、七事式中で唯一名称が禅語から引用されている。それぞれの役割、法則が前もって決められており、一度定まると位置や役目が変わることはない。最初に折据を回して役目を決め、どの役目も出来なくてはいけません。日々の稽古の大切さを改めて感じます。

始めに、半東が花を運び、正客が花をいけます。
次に、次客が炭手前をおこない炭をつぎます。**
続いて、三客が香をたき(香元)、正客から順に香の香りを嗜みます。
東(とう=亭主)は、濃茶を点てます。東以外の皆でいただきます。拝見。
終わりに、半東が東に薄茶を点てます。
しまいが終わると、東と半東は一度席をでて再び席にはいり、総礼をします。
東と半東が席をでて、正客、次客、三客の順に席をでます。

以上、稽古中は自分と他者との関係で「機敏に動く」が重要です。尚、茶カブキは各服では不可能ですが、且座は半東がかなり大変ですが可能です。

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