茶杓 淀川と雨請

良休宗佐作茶杓「淀川」は、即中斎が自作の基本とした茶杓である。如心斎は、千家から離れていたこの茶杓を手に入れ、与太郎(啐啄斎)三歳の時に、如心斎の替筒も添えられ、箱の蓋裏に「随流宗佐紀州ヘ下向之節、淀川舟中ニテノ作ナリ、与太郎ヘ」と記している。了々斎も三十八歳の時、吸江斎が七歳で久田家から養子に来た記念に「淀川」を贈っていいる。その吸江斎もまた碌々斎にそれを譲理、その時に「淀川写し」も添えたということになっている。このように家伝を代々譲るという記録が。基本、これこそ流派の源。表千家同門なら「淀川」を拝見しておきたい。逆理のような「雨請」と並べてみたい。

出典:特別展「200年遠忌記念 啐啄斎ゆかりの茶道具展」2008
https://www.kitayamakaikan.jp/test/exhibition/past/2005/special20080426_item03.html
出典:金沢市立中村記念美術館、替筒が随流斎作で、「雨請」と似ている。
https://www.kanazawa-museum.jp/nakamura/collection/collection_6.html

「雨請」もちろん二重箱で入念に帛紗で覆って。前の所持者の方はとても大切にされていたことがわかる。

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