アダナ

176 n [2001.10.27_16:55]
こんにちは。先日、活版印刷を初めて体験してみました。ローマ字を拾ってAdana5×8という小型の印刷機でカードに名前を刷っただけなのですがえらく感動しました。やはり力強く、締まったスミにはしびれますね。「活版の罫線は板」という意味、また「オモテケイ」「ウラケイ」というのも頭では理解していたつもりでしたが想像とは少し違いがあったりして面白かったです。ルビ用の活字も小さいのは当然ですが何だか泣けるものがありました。文字を実体として触れる経験でした。


177 koizumi [2001.10.27_22:15]
よかったですね〜〜〜。うちの院生も同じマシンでやっています。M2の笠原くんは努力が実って、それで日本語の本文を文庫1ページ分刷りました。また、先日ワインガルト先生が同スタジオにいらっしゃって、熱っぽくパイカについてインテルで実証してくださいました。「オモテケイ」「ウラケイ」について、感動ですよね。ぼくも始めて知ったときのことを思い出しました。そうです。活版の組版をすることにより、ひとつひとつの文字のありがたみを知ってほしいのです!nさんはほんとうに貴重な経験をされたと思います。今度は写植かな?


189 n [2001.11.5_20:38]
道具についての寂しい感想です。活版印刷を体験したいと思った時、サークル活動みたいなものを探していたのですが、たどり着いたのは博物館でした。先日の活版体験はガラスに囲まれた展示室のような工房で行ったわけです。使用したAdana5×8は、イギリスで型を作るマシンが壊れ、もう製造されないとのことでした。計算尺も含め、知りたい、触りたいと思う過去の道具はどんどん遠くにいってします。都内近郊で活版を体験したいと思う方は、トッパンの「印刷博物館」に工房があります。検索サイトなどで調べてみてください。積極的に聞けば内容以上に職人さんがいろいろ教えてくださいます。場所は何であれ、体験は知識では作れない真実を見せてくれました。自分の道具である「魔物」についてですが、その魔力に誘惑されずに「道具」とするのは大変だと思っています。しかし「何をすべきか」には頑固な人間になってきたので、それが自分を支えてくれる気がします。そうしているうちに、本当に意味で「新しい可能性」を持つ道具にできると思っています。


191 koizumi [2001.11.6_10:23]
活版のサークル:
・ぼくの先輩たちにはJAPC(日本アマチュアプリンターズクラブ)というものがありました。原弘をはじめそうそうたるメンバーです。このメンバーたちがAdanaを使い出したのだと思います。当時は晃文堂がすべて道具や活字を提供していたのだと思います。
・ぼくの時代はプリンテッド・エフェメラ。鈴木淑美さん(どうしてるかな?)が中心となって集まっていました。JAPCとは違ってフリーなお楽しみの会でした。
・これからですが、あなたが中心となってはじめては?インターネットもあるし、すぐ集まりそう。ぼくの院生も入りそう。Adanaはきっと国内に眠っているものがたくさんあると思いますよ。
「新しい可能性」よい考えです。


[メモ]
JAPCの中心となったのは嘉瑞工房です。
日本の活版印刷の殿堂です。
http://www.kazuipress.com/