ナカダ [99.8.13_23:55]
「ライノタイプ・ユニバース」はファミリーが29から59に増えたなど分かりやすい変化があるのですが、「ノイエ・ヘルベチカ」というのは「ヘルベチカ」どう違うのでしょうか?情報求む!
koizumi [99.8.17_21:45]
ナカダさん、なかなか勉強していますね。そうライノのニュー・ユニバースについてはここではふれません。ぼくの知っている限りのヘルベチカの知識ですいませんが、atypiからおそらく1975年aごろ発行された『Index of Typefaces』という冊子によるとHelveticaはすでに28項目ありHerstellerはHaas/D.Stempel AG/Mergenthaler/Dr.Boeger Photostazと4ケ所で別々に所有。HaasのもののうちMax A.Miedinger(ヘルベチカ=ノイエ・ハース・グロテスクの生みの親)は4つしかデザインしていません。一方Frutigerは1957/1997すべて自前でUnivers Familyをデザインしてます。しかし御存知のようにHelveticaもたくさんFamilyが存在しますが根本的に違うということです。ご質問のニュー・ヘルベチカですが、ぼくの知っている限りでは初出は『TM2,1984』の20ページのファミリーのチャート図です。ユニバースのようですが縦長で23から107までそれと75のアウトラインを加え34書体で構成されています。これは完璧にユニバースのシステムのコピーと思います。バーゼルで聞いた話ですが、ユニバースの鉛活字が登場する以前はサンセリフでこれだけのファミリーがすべてベースラインで揃うものはなかったようです。それだけサンセリフのファミリーの充実はむずかしかったのでしょう。つまりヘルベチカはデビュー当時はタイトル用のグロテスクだったのです。Haasの400年記念出版で『Die Drucktype』という小冊子があります。(一部朗文堂が『ミーディンガー、あなたは本当に偉大だったのですか……』で訳しています)が、これはよい資料でしょう。また最近M.Miedinger関係の本が洋書ででたようです。ぼくの手元にはまだ来ていませんが。。。書体の細かい違いはぼくにはわかりまへん。このへんで勘弁してください。かつきさん:ただ今、Emil Ruder’s”Typography”chatを準備中です。できたらまずお持ちの44ページからの”Funktion und Form”の部分の訳をだれでも本書と対照して理解できるようにアップロードしてください。それをみんなで見て、図版の作品のことも含めていろいろ議論スタートしましょう。どうぞよろしくお願いします。
ナカダ [99.8.22_1:31]
「ノイエ・ヘルベチカ」の講義ありがとうございました。勉強になりました。すごく基本的な質問なんですが、日本でサンセリフ書体のことを『ゴシック』と呼んだりしますが、ある本では「それは間違いである」とあり、ある本では「アメリカと日本ではゴシックと呼ぶ」とあります。本当はどうなんでしょう?あと、サンセリフ書体のことをドイツ語圏内では、『グロテスク』、フランス語圏内では『アンチック』であってるんでしょうか?あともう一つ「ヘルベチカとはスイスの伝統的なラテン語名」というのもあっているのでしょうか?教えてください。
koizumi [99.8.22_9:36]
ナカダさま、ぼくが知ってることはヨーロッパで「ゴシック」という言葉はユニバースのようなサンセリフ書体を示しません。おそらく向こうにいたときにタイポグラフィを語るときには一度も口にしていないでしょう。建築モードに入ったときは別、ゴシックは時代やゴシック様式をしめす言葉ですから。ヘルベチカはスイスのことです。たしかHelvetiaが国名だったと思いますが、もっと詳しくお調べになってみてください。
515 koizumi [2005.6.17_22:14]
今日は調子にのって、おまけを書き込んでしまおう:ちょっと仕事の合間に、なつかしい昔の資料を探っていました。Optimaの資料って、ほんと、ぼく持っていないのだな。って感心してしまった。TMにも載っていないし。。。不思議。そうしたら、Helveticaがいやに出てきて(笑い)。スイスの出版社のヘルベチカの本のお手伝いをしましたが、サリエリもかわいいです。Sabonの当時の見本帖も出てきてしまって、おもわず見入ってしまった。実は20年くらい前にドイツStempel社の鉛活字を買ったのだけど、組んだ時の感触は最高なんだよ!!!やっぱタイポグラフィやめられないね。やっぱり、スイスなのですね。