不向江南勞駅使 一枝低発墨池花
陸凱による「江南」「駅使」「一枝」の歌に寄せて、心を説いている。北方にいる友に、梅の花を折って、歌とともに贈った心を歌ったもの。ただ、その詩の一部をそのまま書にするのではなく、一度自分の中に取り入れて出す。文学の基本だと思う。
「ひとえだ低くひらくぼくちの花」という下りがとても響く。ここで重要なのは歌が俳句ではないこと。いわゆる俳句の美学は、「切れ」を活用した日本語のリズムと余韻を生み出す、あるいは読み手が想像できる映像を切りとり定型の中で季語を用い、不要な言葉を極限まで削ぎ落とす「引き算」をつかって、最大限の情景や感情を表現するとされている。また、情景の描写から余韻をも想像させ、その瞬間に感じた「曖昧な素直な驚き」を詠むことが美とされているが、、、