京呉服 二

ここのとこ、単衣の黒の御召と本麻の蚊絣の越後上布がお気に入り。家ではどっちかをヒョイっと着ています。腰というか下腹あたりが角帯でグッと締って、これって、なかなか精神がひとつに決まりやすいことに気がつきました。仕事がはかどります。
そして、やっぱり、自然の繊維は(けっこう古いけど)からだに馴染むなぁ。
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広中外科

病院に通ってるせいか、昔の強烈な夢を見る。そういえば、ぼくの利き腕は全くヤバかった事故をしている。ひじの肉がすっ飛んだ、神経までいっていたら。。。化膿していきそうだった。
日暮里に広中外科という名医がいた。おそらく軍医だったのだろう。ぼくの腕を救ってから、まもなく、おそらくマラリアで亡くなった。開業医なのに突然休業になる。発熱のためだ。そのように先生が言っていた覚えがある。記憶では顔におおきなやけどの痕があったような。。。
手術で救ってくれた。病院は先生一人だけ(ときどきおばあさんが?)、玄関を入るとわずかに自然光が入るだけのダダッ広い暗い部屋、ヌーっとお化けのように出てくる。マスクをしていて口数が少ない。奥に消毒に使う洗面器と手術台。。。シンプルだった。
ぼくは先生が好きだった。
追伸:無理して右肩をちょっとやってしまった...まだ夕方になるとちょっと重いけど...利き腕はたいせつです!

上野桜木町

大熊利夫という父の友人がいました。学習塾の先生。ぼくが小学生の頃の近所のちいさな塾で、ちょうど根岸小学校のウラあたりにありました。彼はいち早く、近所のことを調べていたのを思い出します。谷中、根岸、千駄木。。。全然同人誌よりも早かった。当時からぼくも興味があり、桜の名所、人しれない場所がたのしみでした。
http://www.aurora.dti.ne.jp/~ssaton/taitou-imamukasi/index.html
その塾は剣道の道場のようなところでした。薄暗くて、机が並んでいるだけ。何か古本屋のような匂いがする。彼はいつも竹刀をもっているのです。塾生にはぼくよりちょっと後輩で三平の息子もいました。当時みんなこっぴどくやられていましたねぇ。
そっか、六三堂のおやじ、おばんも思い出すなぁ。下町はへんなひとばかり。荷風もふらふらしてたし。

春のお彼岸

雪の頂き,浅間山.
この時期にお墓参りは久しくできませんでした(昨年までは大学勤めで来れなかった=3月は多用で ).春のお彼岸は,ほんと気持ちがいいです.早春の香につつまれてっ.雲がゆく青空と木木が蕾でいっぱい.
実はぼく,墓参りが大好きで.長野佐久の貞祥寺という大変古い山の禅寺にご先祖が全員眠っています.父の死直後,台東区下谷の菩提寺からすべてを引っ越しました.(遺言=葬儀をせず,墓を移す)>ひと仕事でした.思い出します.
父と父の実姉が眠るのはぼくが建立した石墓.Albrecht Durer “Melencolaia I”と全く同じ多面体の石(そのかたちが無限を意味する)で.他のご先祖は先祖代々の古い石墓に.
http://www.alchemylab.com/melancholia.htm
今日ははじめて座禅堂も下見...

京呉服

おやじの古い着物を洗い張りにだす。亀甲柄の御召。
しみ、虫食い。裄、丈が足りない。。。でも、何か味がある。
和服をたたむと美しい。
呉服屋のおやじがまた格好いい=竹の鯨尺をむき出しで持ってやってくる。。。
しびれる。