吾家はとばりをも
かけたる桟、、、
帳の向こうで唐楽の伴奏を聴いている公家が、なんと六筆で(まるで かな書のように)描かれている。ミニマルなこの表現はまさしく「この画もとより小品なりといえども、その書画の妙を共にうかがうを得べし」。代表される書画は『日本美術畫報』に載っていて、これらととても似ている軽快な筆の墨画。
第5編巻之1(1898.8.5)
安部仲麿畫一幅
竹原雄之助蔵
第18編巻之5(1905.12.5)
松之自畫讃一幅
林賢徳蔵
弘法大師の書の流れを汲む国学者の加藤千蔭(かとう ちかげ)筆。橘千蔭とも名乗った、和様書道「千蔭流」の祖。かな書に優れ、樋口一葉はこの書風。交流が深い抱一との合作や賛がある。東洲斎写楽とは隣人、一説には本人とも。