令和5年11月号 同門

興味深い茶道具の諸々、江岑宗左による「草人木」という茶書から

一、昔(利休以前)の名目に云  一茶壷 二釜 三茶入 四文字(掛物のこと)
一、中比(利休期)は  一茶入 二掛物 三釜 四茶壷
一、当代(江岑期)  一茶入 二掛物 三花入 四釜  壺の沙汰なし

つまり、茶の湯にとって掛物は利休の時代に四番目から二番目に重要な道具とされ、江岑の時代にもその思想は受け継がれて、今日に至っていると考えてよい。茶入と壺は人と茶の世界の宇宙観(茶室を含めた空間認識)。その次にお軸が重要なことがわかる。すごいことです。現代最ももてはやされている茶碗はいずれの時代も入っていない。当然のこと。

字休は 一掛物 二茶入 三釜 四茶杓  茶碗の沙汰なし

茶杓は壺の中に、人的介入を示す道具。清らかな一撃を示す。五行「木」「火」「土」「金」「水」が揃うことが肝要。

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