ぼくがこの場で、展覧会カタログについて、あえて書き込みをしたことの心情はおわかりになっていただけたと思います。きのう初日すでに約50册出、お買い求めていただいた人がいらっしゃいます。本来の姿でないもの、非常に質の悪い印刷物が出てしまっています。デザイナーにとって、自分が生み出した印刷物が世の中に旅立つということは、仕上り全てに責任をもつということです。確かに展覧会カタログは通常の出版物とは違いますし、あえて今回もいろいろ挑戦してきました。だからといって、無理に形になったもの=販売にこぎつけるのは乱暴のように感じます。つまり、その資料ということでは解決しない部分があるからです。フリーなパンフレットならともかく、カタログである以上、質の度合いには限界があると思うのです。やはり、ぼくは思うのですが、版元とその周辺が出来上がったものの質を正確に知ってから、その程度を話し合うことは大切なことなのではないでしょうか。この2日間、ぼくはたいへん憂鬱です。