松山由理子さんの三回忌が静岡で無事済みましたということで、信洋さんと鮎子さんがいらっしゃいました。昨日はとても初夏の気持ちの良い日で(とうとう今年一番の暑さとなり、あの琵琶湖に初めて訪れた日を思い出しました。あの日も暑かった)。
追悼集も仕上がって、内容がとても立派。ぼくは久しぶりに全体的な本一冊の仕上がりを想像する役を担いました。生前の由理子さんを想い出して、短期間でしたが無心になって取り組めました。全体を通して文字の大きさは二つだけ。本文書体はヒラギノM(ゴシックは使用しない)。フォーマットは編集を担った方の土俵上で。縦組だけ(たった一箇所だけ横組)。ごく普通に爽やかな空気のように。
そういえば、由理子さんとは、茶室で何度も和文の書籍本文について、縦組と横組のお話をしました。懐かしい、、、もうあのようにあっさりとお話をし合える方がいなくなってしまったのか、寂しい、ほんと寂しい。
口絵はあえて本文グリッドを外し、、、という、ちょっとぼくらしさを。表紙は誠信書房時代を思わせる銀一色、白に溶け込まないちょうどいいところで止める。絵は由理子さんが溺愛していた画家林田由起子さんの桔梗。構図がとてもいいんです。
静かにうまくまとまった。
夢中でデザインしていた頃の誠信書房の数々の本、彼女と一つ一つ違った思い出が残っている。/Studioでスケッチから出来上がりまでの展示をしたいなと感じた日でした。この夏、納屋から出してこようと思う。全て残っているはずだけど、どんな状態かは全く不明。