とうとう家屋が消滅した(明日ユンボが退場して解体終了)。一言、かわいそうな家だった。ご自分で建てた家でないと、こうもひどいことができるのか。手業で毎日少しづつ行う解体でよかった。この家を壊して初めて、オヤジが立てた自宅の謎がいくつも解明された。なぜ全てギリギリの寸法でできているのか。当時は大変だったのであろう。それにしても、「この家、傾いている」という最後の一押しの言葉で決断したことだったが、、、この後述談で明らかに。正しかったこと。予想通りだったこと。意外だったこと。
きく人きく人、近所の人の多くはなぜ壊すの? 残してリフォームしては、人に貸せばと、、、しかし完全に破壊して、更地にすることが正しい判断でした。リフォームしたらン千万では済まないし、その後どんどん追加での出費は必至だったろう。なんと通りに面した家屋の前部の通し柱がすべて切られて(おそらく車庫ガレージにするため)、土台に接しているすべての柱の下が腐っている(解体屋の話だと周りのうちのレベルの中で一番低いためここに水が集まる*=木に水が染み酸気を帯びたすえた異臭が長年したはず)。おまけに屋内で駐車していた部分だけ布基礎の上に乱暴に分厚くコンリをまいている。その上部に未だに用途不明の中二階=立って歩けない、頭をぶつける理解不能の汚い部屋(汚れから想像して駐車の物置?入れたら最後、全く奥のものは取り出せない、掃除を一度もしていない空間)。なんとその上部に梁を外して鋼材を横に渡している。それも二カ所。玄関の頭の1本は完全に柱に渡っていない。途中で止まっているのでおそらく落ちてくる。その他ところどころ重要な梁も継ぎはぎだらけ、本当にこの家は危なかった。後部も違法建築を足すために通し柱が切られている。信じられない有様が、解体とともに明らかとなった。これらの素人の考えのその場の処置で、家をもたせたつもりたったのだろうか? (2階にあったものすごい量の家財の荷重)どおりで家が傾くわけだ。木造の日本家屋をなんだと思っているのか。これでは住居でなく、まるで改造された倉庫だ。
最も迷惑なのは、地境のブロック塀の中央にあった転倒防止のブロックの支えの鉄筋を切ってその部分を取り除き、違法増築をしていること、作為的としか言いようがない。公道に向かっている部分も約40cm縁石ギリギリまで迫り出してサッシをつけている。巧妙な狡い増築(その部分の基礎がない)。
軽視さんの余韻は家が残っていたらとれなかったであろう。しぶとかった。引き渡されてから即、全ての扉と引き出しを開放して、毎日外界と同じ空間にしても、もとの匂いが消えない。そしてアースレッド16畳のを一階二階2つづつ焚いて、急遽ブルーシートを敷いてみたが、それでもダニに刺される。痒い。もちろん家の中は一度も靴は脱がず初めから土足であがってる。床に直に間違っても座わることはできない。毛羽立った古い畳の上にゴザを乗せて画鋲で止めている。この湿った隙間ところには確実にダニが住んでいる。正確には気がつくといまだにクレゾールの匂いがする。どこから滲み出てくるのか? 家に染み付いていたわけだ。壁がすべてとれて柱以外全て運び出して、屋根が消え雨が家の中に入るようになってようやく消えた。目下の近所問題のネズミは減った。以前はこの家に何度も入っていくの目撃していたが、なんと飼っていたのだ。玄関のサッシ横についていたへんな出っ張りを下から破壊したら、なんと米が飛び散った、、、餌付け場だった。
家に入ってすぐ眼に入る部屋の隅にある垂直の太い塩ビ管はなんだろうと疑問に感じていたら、2階の便所から直接おちて来る下水管。普通はリフォームで隠すのが常識と思う。上から下まで全部剥き出し。よくこのような家に一日中いられたものだ。とにかくきたない、掃除をしない。窓の桟という桟に埃が地層のように重なって積もっていて、生まれて初めてみた状態。屋外にいた方が肺は綺麗だと思う。
最終的には違法増築したところだけで、生活をしていたのであろう。ダイニングキチンといえるのかわからないけど、違法増築した台所、食事していたテーブルの真下に下水の枡があった。床下のその上にカーペット敷いてしまって、わからなようにしてある。そのすぐ横には、おそらくメッキをしていた旧便所で、薬品の収納庫。ここ臭うだろ。まして、食べているところのすぐ後ろが換気扇のないトイレで、すぐうしろ1m。トイレと風呂場に換気扇がない。小さな通気口だけで、棒の先のフックで開け閉めだけする。おそらく、うちにあんなに匂っていんだから、開けた後扇風機か何かでこちらに送っていたのだろう。この空間と台所が一緒。ちょっと見えたことがあったが、この場所はもので溢れていた。直線にしたら、数メートルのところで、このような生活をしていた夫婦がいた。それも45年間。そういえば、引越しの時のトラックの積み荷の量、粗大ゴミの量を思い出す。どこにあの量が存在していたのであろうか。戦後バラックと同じ。これで貴金属を扱う仕事?笑らわせるな。
ライフラインの複雑さ。水道管の驚いたこと、はじめは全くわからなかったが、全てが二重。元々の内配管は使用していない。後付けの外配管で屋内には壁をその必要なところを管を入れるためにぶち抜いて引いている。電気も恐ろしいタコ足配線で、かなり多くを剥き出しの外配線。壁の中の配線が生きているところはどこなのかさっぱりわからない。もはや自分達もわかっていないのであろう。これではいつ火を吹いても不思議ではない、とても危険。
家に立ち入って即不吉を感じて、まずしたことは、家全体を塩で清めをして、全先祖の身近な弟子丸大仙の書で軽視の怨念を押さえた。その延長上にあることは、取り外した棟上札を丁重に近所の氏神様(元三島神社)でお焚き上げをする予定。とにかく怖い。ここまで安全に取り壊すことができたのは奇跡だったのかもしれない。うちの厄は消えた感じがする。ほんと疲れた。
それにしても、生まれて初めて家の解体屋さんの仕事を目の当たりにした。SAKURAREBLESSの安藤さんと仙石さんは素晴らしい職人(江戸時代の火消し)だった。感動した。多謝!
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