寒い朝/学校

バーゼルの朝は早い,先日の滞在中なにやら昔のように朝目が覚める.ワインガルト宅,窓から外を,7時に通学の学生達がもういる.ぼくもそうだった.外はマイナス10度.凍り付いている.
なつかしい.気合いが入る.毎日ですから...
確かにきつい.
しかし,その状況下で,あのように洗礼されたタイポグラフィが生まれてくるのです.
厳しさの中だからこそ,生まれてくるのです.
ぼくはそう信じています.
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今回,ワインガルトと話していて,明らかになったこと:
“How Can One Make Swiss Typography?”に出てくるのですが,初期の彼の授業にはulm HfGの強い影響がうかがえます.そして彼の学校の時代は1999年に終わったっと断言してしまった.
はじめとおわり.
それを踏まえて,これから今の時代に合うversionを下訳を中心に展開し,作り上げていきます.
ここにもでてきますが,学校は名声でも格式でもない,そこにいる先生なのだっと断言できます.
ルーダーの時代もそうであったように.
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今日の早朝クラスもピーンと緊張してよかった...

Web Designing 2009/2の訂正

先週末に店頭リリースしましたウェブデザイニング2009/2号のp.074-076に誤りが.
写真のクレジットに「資料協力:小泉均」っとなっていますので,ぼくのブログにも訂正を載せました.
ここのところヘルベチカに関わっていながら,このような単純ミス.この道のプロとしても大変に不本意ですので...今後このようなことがないよう、気をつけます.関係者,読者のみなさんに不快な思いをさせてしまい,謝ります!申し訳ありません!
[本文中]
...Akzidenz Grotesk(P040)がタイトルで使われている。
[キャプション中]
photo by Ohtani
ハース社Helvetica清刷集の表紙裏(表2)
photo by Ohtani
075ページで使っている画像はfettではなくhalbfettです。
(halbfettは現在のHelveticaファミリーのボールドにあたる)
20090121-shashoku1.jpg
TM SGM RSI (Typografische Monatsblätter/Schweizer Grafische Mitteilungen/Revue suisse de l’imprimerie) 4/1980の213ページから
>>>正確な雑誌名は上記ですが,ふつうの呼称はSGM RSIを省きます.
http://book.mycom.co.jp/wd/
http://fontgraphic.jp/wd/

クリエイター100人からの年賀状 vol.4

実は,まだ年賀状を出せないでいます.心をこめて,ごあいさつを書いて.旧正月に向けて...竹尾紙太郎様には校正刷りをお送りいたしました.たぶん展示されていると思いますが...
特別展「クリエイター100人からの年賀状展」vol.4. 会期 2009年1月15日(木)~ 2月13 日(金)
会場:見本帖本店(竹尾http://www.takeo.co.jp/cgi-bin/site/index.php)
開館時間:10:00〜より19:00まで
休館日:土・日・祝祭日
入場無料

災害エスノグラフィ

「秘められた決断」という番組をみた。
今あらたに、感じるものがあった。災害対策のための教訓というのを、何かよい方法で伝えられるのだろうか?
神戸の永田さんと毎年なんらかのやりとりをするのですが、考えさせられることばかり。。。何がぼくにできるのか???
禁断の領域というところはぼくにはわかりませんが、地震後まもなく通勤のためのバスから震源地(越後川口)を目の当たりにした体験からなのか、こういう映像を見ると、ぼくの中の何かが起きてしまうのも事実です。
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今日はセンター入試。そうですか、あのリスニング試験4回目ですか、ンンン、なんといっていいのか、もう、全てなつかしい思い出です。

同調と同情と

ぼくが日本にいない間に社会に、現れたもの。
また、池田さんの書き込み(eco-plazaのMLから)。
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先週、この稿で、日本人の行動原理は同情ではないか、といった内容のことを書きました。派遣村にあつまるリストラ難民たちに同情することで、
人は緊急支援の活動をはじめるのではと憶測しました。しかし、その後、考えが変わりました。ここで用いた「同情」という言葉を撤回したくなりました。派遣村の現実に向けられる人々のこころの動きは、「同情」というよりも「同調」だったのではないのかと。「同調」におけるこころの動きを「感情移入」といいます。派遣村の現実は、人々が容易に感情移入できる対象です。他人事とは思えないという気持や、明日は我が身という切迫感です。派遣村というひとつの集約された場ができたことで、さらに感情移入がしやすくなりました。「同調」とは、その対象にチャンネルを合わせることです。事実、テレビのどのチャンネルを回しても派遣村の映像に出くわしました。
テレビは人々の感情移入をひきだし、「同調させる=チャンネルを合わせる」メディアです。
それにたいして、「同情」とは本来、もっと高度な感情の表現形態ではなかったかと思うようになりました。
       ●
(中略) 社会を変えよう。社会変革(ソーシャルイノベーション)を起こそう。それはいまや世界的な潮流となり、ソーシャルを合言葉にすることは、クリエイターたちや流行に敏感な若者たちのトレンドになっています。自分たちの手でこの世界をよりよい社会につくりかえる。それに生きがいや喜びを見出す人たちが増えていることは、まことに好ましい限りです。
しかし、よりよい社会をつくることだけが人間のゴールではありません。
どれだけ理想的に再生可能エネルギーが循環する社会の仕組みをつくりあげたとしても、どんなに申し分なく持続可能なライフスタイルが広く実践されるようになったとしても、それが人間の自由と尊厳を保障するわけではありません。そのネガティブな認識を倫理と呼ぶべきなのではないでしょうか。(中略)
       ●
——同じ人間なんだから。
困っている人が同じ人間なら、困ったことをしてしまった人も同じ人間。
一瞬でも、感情移入の同調回路を断って、社会の外側に立って、すべての人はみんな同じ人間であることに思いを馳せる。その「同情」感覚が身につくことも、社会変革の志を育むことと同じくらい大事な環境学習の役割ではないでしょうか。
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この文章また同感です!
ちょうど、うちのお教室の人たちに年頭お話していたことに似ていて、
「勝ち組、負け組」のことも。こんな言葉日本人にはなかった。。。
ちょっとちがうかな?恐ろしい大きな流れに流されてしまっているのではないでしょうか。だから、、、
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単に表面上だけのアンフェアな競争社会をつくりだしているのではないでしょうか。日本には歴史が培ってきた独自のいろいろな社会の仕組みがあって、それをこわしつづけている。
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大江さんが新年の言葉で「人間がやっていることなのだから、解決しないことはない」といっておられた。それには前提がいるのではないでしょうか?will=意志と訳していました。
outgrow=成長(Auden)
upstanding=自立(Yeats)
今年、もう一度見直すことにしましょう!!!

Helvetica forever展@ddd@ggg

もうひとつ別のトークショーやります。
2月18日(水)
18:30-20:00
ddd
http://www.dnp.co.jp/CGI/gallery/news/detail.cgi?t=2&seq=0000018&y=2009
2月21日(土)
18:30-20:00
ggg(会議室改装中のため閉館後のギャラリー内を予定)
書体Helveticaとヘルベチカ展について(仮)
小林章(ドイツ・ライノタイプ社・タイプディレクター)
高岡重蔵(有限会社嘉瑞工房・相談役)
高岡昌生(有限会社嘉瑞工房・代表取締役)
小泉均
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ラースの方は本の話.
こちらは活字/タイプフェイスの話.
嘉瑞工房はぼくがいうまでもなく...
ペイニョ>ハース(小泉)>ライノ(小林さん)って感じでしょうか.
このメンバーではたぶん時間内じゃ話しきれないでしょう.
ぼくから出し物は原稿なしのアドリブでやります.当日になってみないとわからない.

Helvetica forever……………

昨晩,おわりました.
長い格闘でした.入稿が今朝終了するはず.予定通り刊行されます.間に合ってよかった.
11月からですから,約2ヶ月間で作ったことになるんです.(なぜか英語版は1年以上かかっている).ドイツ語版の修正をしながらですから(笑)>ぼくもひとつふたつ見つけました.
タイポグラフィの歴史に残る本に関われて,ほんとうにうれしいです.そして,今あるぼくの力を全て出し切りました.完璧ではないかもしれませんが,日本版が一番わかりやすくできたと自負しております.
そしてそして,この道,本当に深いことがわかりました(どんな道も同じだと思うけど).
思えば,小林さん達とDVDをみたころから「ヘルベチカ50歳」のこと言い始めてからですから...ぼくはNYに行ったり,バーゼルにアルフレッドに会いに行ったり,このもんもんとした間に,失ったものもあるけど,タイプデザイナーでないけど,その気持ちになれて.実際に周辺が見えてきたことが,TypeTrip再びでした.
やっと,正月です...いやいや,まだいろいろ残っていますが...