柳本浩市氏を偲んで

訃報をきいて、驚いております。
©Glyph., Axis Gallery
昔、AXISギャラリーのブラウン展で、偶然、突然、柳本氏の本をデザインすることになりました。当初の計画では織咲氏がやるはずが、途中でギブアップしたためです (ぼくはタイポグラフィのアドバイスだけという約束でスタートしたプロジェクトが、なんと! 床以外の会場壁面やキャプション全部まで)。ご本人の意向にあったものに仕上がり、なんとか、期日に間に合いました。
みほんが束見本と全然違うものになっていて、徹夜明け早朝のファミレスで激論を交わしたことが昨日のようです。なつかしい思い出。
彼はめずらしいうちの理解者で、TypeShop_gのすべての仕事、おまけにぼくの本までも、きちんと買ってくださっております。ぼくも、持っていないTMを彼から購入したことがありました。とてもきれいな状態で(どこかの古本屋みたいに法外な値段をつけていません)。スイスのポスターの話もしたことがありました。工場ごとそっくり買ってしまった話など、とてもおもしろい方でした。
ちょっと付け加えますと、ほんとデザインの裏をよく知っておられた、このような方が大学教員として正式にきちんと教鞭をとられていたら、少しは業界が良くなったのかもしれません。これからでしたのに、とても惜しい方を亡くしました。
ご冥福をお祈りいたします。

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