即中斎の円相の多くは中心に「夢」と書かれているが、そうではなく四角の枠の中と外の二円相。花押と箱書からしておそらく若書。家元1936–1979年なので1940年代の戦中であろうか。円相の大きさは各々、茶碗の中と同等に見立てることができる大きさ。小さい=おそらくちょうど即中斎の点茶での茶筅の纏めの大きさに匹敵。中に「天然」外に「坊守リヘ」ではないが、うちではこのお軸を天然忌に掛けるとする。如心斎から数えて六代後の家元の円相を。もともと、家元制度の基を作り出した中興の祖といわれる如心斎に敬意を表するために居士の遺徳を偲び9月13日に「天然忌」が営まれる。残月亭の床にその円相が掛けられ、白い芙蓉を入れられ、お茶湯を供えらる。肖像画はない。
それにしても、ゲルストナーの講演の衝撃的な円相もすばらしかった。思い出す。今日は重陽、菊の道具はまだない。