『US-Atlas Weingart Project』新刊登録

版元ドットコムで先ほど公開しました。今回もAmazonのPODだけです!本書『US-Atlas Weingart Project』は、2025年12月25日に配信がスケジュール設定されています。この日の午前0時(協定世界時(UTC))に、本の詳細ページが読者に表示され、販売区域での権利があるすべてのAmazonで購入できるようになります。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784909178060

ようやく、ワインガルト先生と生前に交わした約束をひとつ果たせました(67歳誕生日に発売)。まだまだ、この道の続きをしなければ… とても残念なことに、先生関係の画像の掲載許可をいただきお世話になりました奥様のKateが、この12月11日にお亡くなりになってしまいました。ご冥福をお祈りいたします。

版元ドットコム、Amazonなどの情報の邦訳を、以下に載せます。
内容紹介:
このプロジェクトは、1990年から1991年にかけてバーゼル・デザイン学校アドヴァンスド・クラスで行われたプログラムです。ウォルフガング・ワインガルトのタイポグラフィ・プロジェクトの一環として、この年はリチャード・ソール・ワーマン著『US-Atlas』の表紙リデザインを課題としていました。本書には、当時日本人初の学生であった小泉の白黒作品がすべて収録されています。スケッチは制作順に並べられており、当時保存したファイルのままで整理されていません。
著者紹介:
小泉均 (Hitoshi Koizumi)
1958年生まれ。スイス・バーゼルのデザイン学校(Schule für Gestaltung)で学ぶ。2007年にTypeShop_gを設立。2020年からはインディーズ出版社を立ち上げ、自身の哲学に基づき、日本のみならず幅広い分野の書籍の出版を予定している。/Studioにはスイス式と日本の手組活版とに分けた施設と平台校正機を備えている。現在は東京・日暮里の自宅で茶道を教えている。
「forewordにかえて」の訳文は、2026年賀状に。

追伸:
国内では、スイス・タイポグラフィを壊したパンクとして悪名高きワインガルトの情報を発表することもないでしょうから、本書は海外向けとしました。従って、特に日本語で宣伝や販促はいたしません。
また、内外問わず、TypeShop_gにいらっしゃるゲストのためのガイドブックの一冊です。スケッチ実物はセロテープの劣化で、この本の画像のように見ることができませんので、貴重な復元の仕上がりです。細かい作業は長岡の矢尾板和宣氏にお願いしました。そして、やはり書店で売ることを目的としていない本です。主にぼくの話を聞くための種となる本で、書籍単独では未完成品です。ご了承ください。

暑い夏の終わりに

実に興味深い女性がやってきた。春の古書イベントで知り合った入門希望の方と夏前まで数回面談した。とても話が弾んで、よく聞いてみると、ところどころ流行りのデザイン事務所などに、よく出入りしているようだった。彼女の立ち位置(atopos)がとても特殊で、久々にかなり入れ込んで、うちのスタッフに育て上げようとデザイン基礎の教室まで復活させたが、期待外れだった。しかし、そのおかげで、とても重要なことに気づかされた。(ぼくは幼児の時strophulusで、親のおかげで脱することができたが、理解できる領域)
日本のグラフィックデザイン現状と「ホフマンの教育思想」のあり方とを重ね合わせ、考察する方法を見つけることができるかもしれないのだ。一筋の光が。日本語では、広告を示す三つの英語が正確に位置付けられ、巷でデザインデザインと浮かれて固まってる連中、アーチスト気取りのペテン師、褒め合い族、コピー盗人の類とは違うという存在といかに違うのか、ここから見えてくるようだ。さて、どのように発表するか。

販売終了のお知らせ

この度、私家版『Reduction. Ethics. Didactics.』の邦訳本が結果的に限定期間発売(11日まで)となりましたことをお知らせいたします。
市場では、すでに話題となっておりますが、原著の版権が昨年Matthias Hofmann Publisherからniggli Verlagに移りまして、新たな版権者と交渉を重ねてまいりましたが、現行の継続販売は不可能となりました。約半年間という短い期間でありましたが、ご購入いただきました方々に御礼を申し上げます。
ぼくとしては、原著刊行当時から、いろいろな意味で頭が本書のことばかりだったものですから、約4年、じっくりArminとともに歩んだ貴重な期間でした。

長岡造形大学創立30周年

そうか1994年だったのか、あっという間だった。一昨日、小泉研究室1期生から10期生までの有志20人の先輩後輩が入り乱れて集合した。なんとなく展示物はテスト的に並べてみたのだが、なんと懐かしい。当時35歳、バーゼルから帰ってきて長岡に住み着いて、毎日100%大学設立に夢中だった。もう二度とできない経験。とても楽しい日々だった。その頃出会った人たちは皆成長してて、ぼくの宝物。

『削ぎ落とすこと. 倫理. 教育.』制作過程展

昨晩、宇野がバーゼルに無事到着しました。活版留学です。奇遇、イスタンブール(ワインガルトとの二人旅からちょうど15年か、、、)経由で。そしてぼくが帰国してちょうど30年となります。感無量。彼女のここまでの準備を目の当たりにして、頭が下がります。

さて留守中、約半年間の/Studioでの催しはぼくがやります。
常設展はPODのベースとなるフォーマットと構成をいかにまとめたかがテーマ。編集者や校閲が不在の本の作成、なかなかの醍醐味でした。最終的にはこの本はたった三人で作ったので、その種明かしも。台割など展示しています。

別冊同門 下

やっと、玄関さんの6人目の方、正しいと思います。よかった、ぼうずかと思いました。

釜を懸ける心がまえ、すなわち、ことをなす前に自分を清める。身の回りも清める。これです。掃除、普段の巷のお稽古では絶対に教わらないが、この方の文中にちょっと触れられている。家元での掃除、とても貴重なエピソード。でも、もっと詳細を正確に知りたい。「稽古照今」とは当たり前、ではそれは具体的になんぞや?掛物や花も当たり前。まず掃除です!

バーゼルでも印刷機の入念な掃除の仕方を習ったことが、一番の記憶に残っています。それを通してなぜ次が見えてくるのか、全てに言えること。洗心自新

先生勤めの終焉

やはり、今年度が最後となりました。いましがた、大崎さんからメールが届きまして、、、一年がかりの粟野先生に出していた宿題がこの結果に。来年度この四月から大崎善治氏に引き継がれます。
思えば25歳の時に御茶美で教壇に立ち「コミュニケーション論」という授業を始め、昨年12月の桑沢の「エディトリアル・デザインA」の最終授業で完全に終わりました。長岡で教授を辞めてから、ミニマムな授業を持つこと=半年1コマを受け持つ、つまり15回の一貫したカリキュラム(毎年時勢に合わせ少しづつ変化させる)を考える仕事はもうやる必要がなくなったわけです。昨年まで、このようなことをたゆまず続けた。ピークの助教授、教授時代はとても複雑な授業を、学科全体マキシマムな構想を見据えて、各授業内容とそれに対応する先生方を組み立てた。ほんとここまで十分やりきった。今思いかえしてみるとたのしかった。
最近は、巷では、素人のトークショーが多く、だれでも若い人の指導ができる機会が増えた。デザインの先生のような人は数多、だれでも手軽にできる。進歩したのだろう。ぼくの時代は終わった。崇拝するワインガルトのような先生の存在を必要としなくなった時代。
桑沢での最後の課題のシリーズは「花」をタイトルに含む書籍。授業のおわりに、贈りもの、学生たちに最後にしてやられました!とてもきれいな終わりでした。多謝
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ガスの匂いが空気中に消えていくように。そして、かすかに花の香が残った。