月自画賛

不審菴の最も有名なお茶湯で、今日の家元制度の基を作り出した表千家「中興の祖」と呼ばれている7代家元如心斎の遺徳を偲び、9月13日に「天然忌」が営まれる。その天然は居士の道号法諱であって、円相の中心に自己を意味して書かれた掛軸が掛けらる。
円相になぜ「平常心是道」とあるのであろうか。一体いつ書かれたのであろうか。謎が多い書がきた。出会ってからちょうど一年、その宗匠の書かれた円相が、とうとううちに。了々斎箱書で「月」とある(完璧)。この円相は満月、うちのシンボルとなる。それにしても残り香のような「、、、、」が天然宗左と読める。実にいい。

AERA 2017号

ビジネスのうまみ消えても紙の本はなくならない
紙の本を読む人が減っている。「町の本屋」がどんどんなくなっている。…
「本がなくては生きてゆけない人」がいなくなることはない。その人たちが本を書き、出版し、販売する営みは決して終わることがないだろう。

うちの本は、ごく僅かでも、正確に「書籍」のカタチで残しておきたい(スイスと国立国会図書館にはある)。そして欲しい人が欲しいときに即手に入ればよい。在庫はいらない。

似坐禅僧

読み下しをしていただきました。

愛梅人似坐禪僧 看到宵分未點燈
春月當窓疎影現 半場殘夢冷於氷
        磐溪老人

(梅を愛する人、坐禅の僧に似たり、看て宵分に到るも未だ燈を点せず、
春月窓に当たりて疎影現はる、半場の残夢氷より冷たし)
「梅を愛する人は、まるで坐禅をする僧のようで、ひたすら見続けて夜半になっても灯をつけようとしない。春の月が移って、その光が窓を照らすと、まばらな梅の枝の影が映し出される。あたかも断片的な夢の中にいるよう。夜気は冴々として氷よりも冷たい。」

『削ぎ落とすこと. 倫理. 教育.』制作過程展

昨晩、宇野がバーゼルに無事到着しました。活版留学です。奇遇、イスタンブール(ワインガルトとの二人旅からちょうど15年か、、、)経由で。そしてぼくが帰国してちょうど30年となります。感無量。彼女のここまでの準備を目の当たりにして、頭が下がります。

さて留守中、約半年間の/Studioでの催しはぼくがやります。
常設展はPODのベースとなるフォーマットと構成をいかにまとめたかがテーマ。編集者や校閲が不在の本の作成、なかなかの醍醐味でした。最終的にはこの本はたった三人で作ったので、その種明かしも。台割など展示しています。

“12” T-shirts

…T-shirtsのフロントには心臓の横あたりにひっそりとRSロゴを裏プリント。…
https://commmonsmart.com/pages/ryuichi_sakamoto_12_tshirts
昨晩、偶然目に飛び込んできました、、、
RS logo、懐かしい仕事。遠い昔、震災の長岡から帰ってきて、一睡もしないで毎晩のようにNYの坂本さんとメールでやり取りしたことを思い出します。

今頃、レビューを発見

★★★★★ 本を読んで「文字を読んでいるのを忘れた」驚きの体験
2023年11月13日(なんと2ヶ月以上前)に。セロリの脇腹さん、どうもありがとうございました!!!「ビデオレビュー」機能つきで。 

https://m.media-amazon.com/images/S/vse-vms-transcoding-artifact-us-west-2-prod/56ab7a42-0d99-40b5-90f3-1644031674c3/default.jobtemplate.hls.m3u8

本を読んで「文字を読んでいるのを忘れた」驚きの体験は人生で初めてでした。
その体験をしたのがこちらの本。ボタニスト。

中身は専門家ではないので詳しく触れないのですが、文字と文章の配置が内容を引き立てていて美しいのです。

1ページ2ページと読み進めるうち。
いつの間にか、文字がすーっと後ろに引いて透明に溶けてゆき

著者の書く世界、植物に溢れる、鮮やかで詩的な光景だけが浮かび上がってくるのです。

この感覚は一体?!と、初めての読書感に衝撃的なほどクラクラしました。

文字と余白のノイズが極限までないと、こうも物語が引っ掛かりなくサラサラと読み手に流れ込んでくるのかと…。
没入とは、こういう感覚をいうのかもしれません。

文字があると読んでしまうような活字愛好者の方、ぜひめくってみてください。

旧田中角栄邸

思い出す。
当時は、都バス(学バス)が、ポンジョ行きとドッキョウ行きが目白駅前(カワムラ前)から出ていたので、通学で、角栄んち前は毎日通った。それに、よくマラソンの練習で、折り返しポイントに使われていた。
中学生の時、事件は起きた。硬式テニス部のボールボーイをしていた頃、隣の目白台グランドのコートで練習してて、角栄の庭にボールが!壁をよじ登って侵入。とってきた。電気が通った非常線が引かれていたのに成功。その後、米山に話したら同じようにして侵入、見事、警備員にとっ捕まった。

思い出す。
真紀子さんに長岡造形大学コンピュータ室Bをご案内した時。突然千秋が原にいらっしゃって、当時の事務局長がいきなり、「小泉先生のMacのコンピュータ室にご案内して、説明をしてください」と。驚いた。照明の仕掛けなど、細かく解説したことが懐かしい。
昨日、「線香をあげていた」のか。目白御殿消失、ひとつの城が焼け落ちたような感じがする。中国の宝がかなり燃えてしまったのではないだろうか、、、

初釜会記

掛物 惺斎敬翁宗左執筆「茶カフキノ記(1913)」(急遽変更)
濃茶 辰昔 詰:一保堂茶舗
薄茶 一碧 詰:吉田銘茶園(普段使い)
主菓子 寶ぶくろ 拾両・宝珠・小槌 鶴屋吉信
菓子は縁起の良い頂き物。他道具は2021年から変わらず。
うちは嶋台、振振、紙釜敷は、今後も使うことはない。